Project/Area Number |
09740551
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宗林 由樹 金沢大学, 工学部, 助教授 (50197000)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 配位子 / 分析化学 / ポリピラゾリルボレイト / ポリピラゾリルメタン / 金属錯体 / X-線構造解析 / 溶媒抽出 / イオン認識 / 有機配位子 |
Research Abstract |
本研究は、従来の有機配位子とは異なる立体的因子によって金属イオンサイズを認識する新規な有機配位子を創製し、その分離機能を溶液反応と結晶構造および化学計算の解析によって明らかにすることを目的とした。 (1) ポリビラゾリルボレイトの金属イオン選択性 ポリビラゾリルボレイトは四面体型のホウ素原子にピラゾール環が2〜4個結合した負1価の窒素配位子であり、2座または3座配位子として働く。この配位子は、ホウ素原子またはピラゾール環上の置換基を様々に変えることができ、種々の立体的因子、電子的因子を通して鎖生成反応に影響をおよぼし、その分離機能を制御しうる。本年度は3座配位子であるトリスおよびテトラキスピラゾリルボレイト、ならびにトリスおよびテトラキス(3-メチルピラゾリル)ボレイトの遷移系列金属に対する選択性を溶媒抽出法により検討した。これらの配位子がきわめて安定な鎖体を生成し、またIrving-Williams系列に従わない特異な金属イオン選択性を示すことを見出した。この原因を解明するために、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cd鎖体の構造解析を行った。現在成果の一部を論文にまとめつつある。 また、ピラゾリルボレイト-β-ジケトン-希土類金属の三元鎖体の構造解析、ピラゾール環の3位にトリフルオロメチル基をもつ配位子などの合成に着手した。 (2) ポリピラゾリルメタンの金属イオン選択性 ポリピラゾリルボレイトと等電的構造をもち、無電荷の配位子であるポリピラゾリルメタンを合成した。紫外-可視分光光度法によりこれらの配位子の酸解離定数、2族金属イオンとの鎖体の安定度定数を決定した。現在、遷移系列元素との鎖生成を検討中である。 今後はこれらの研究を継続するとともに、(1)ピラゾリルボレイトおよびピラゾリルメタン鎖体の物性の研究、(2)新しい有機配位子の設計、合成への展開を行う。硫黄を配位原子とする三方三座配位子の研究を計画している。
|