Project/Area Number |
09740592
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福原 敏行 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90228924)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 2本鎖RNA / イネ / RNA依存RNA合成酵素 / ベクター / 複製酵素 / マイクロソーム画分 / 複製必須領域 / アクチノマイシンD / 野生イネ / コピー数制御 / ニック |
Research Abstract |
イネ2本鎖RNAの複数機構を研究するため、イネ懸濁培養細胞よりマイクロソーム画分を調整し、2本鎖RNAの複製酵素活性を[α-32P]UTPの取り込み活性を指標に解析した結果、2本鎖RNAを保持する細胞のマイクロソーム画分には特異的な取り込み活性が検出された。この反応産物を電気泳動により同定した結果、イネ二本鎖RNAの分子量と同じ約14kbの位置に優先的な取り込み産物が観察され、経時的にその取り込みが増加した。ノーザンハイブリダイゼーション解析より、この反応産物は、イネ2本鎖RNA中にコードされているRNA依存RNA合成酵素(RdRp)による複製産物である事が示された。このRdRp活性は、マグネシウムおよびヌクレオチド三リン酸要求性であり、アクチノマイシンDやαアマニチンといったDNA依存RNA合成酵素の阻害剤に非感受性であった。Protease Kとデオキシコール酸を用いた実験からは2本鎖RNAの複製複合体が、ベクシル状の膜に包まれている事が示唆された。また細胞内でプラス鎖同士がランダムに繋がった分子が存在していることが明らかとなった。この分子はin vitroの複製反応において急激に増加したことから、イネ内在性2本鎖RNAの複製反応に関与する中間産物であると推測された。界面活性剤によるマイクロソーム画分からのRdRpの可溶化と、グリセロール密度勾配分画を行うことによりさらにRdRpを精製し、外から加えたRNAを鋳型としてin vitro複製反応を行った。その結果、精製した2本鎖RNAが複製に必須な因子との結合能を持つものの、複製に対しては不活性であり、複製活性を持つのは一本鎖のRNA分子であることが示唆された。さらに、マイナス鎖の3'末端、約410bの配列中にプラス鎖合成の際の複製必須領域が含まれている事が示唆された。 以上、本年度は、RdRpの諸性質や複製必須流域が明らかとなるなど、イネ2本鎖RNAの植物RNAベクター応用にむけ十分な成果が得られた。
|