植物細胞分裂予定位置より伸長するアクチンの電子顕微鏡による解析
Project/Area Number |
09740612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (00242024)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 微小管 / アクチン / 前期前微小管束 / 凍結置換法 / 細胞質分裂 / シダ原糸体 |
Research Abstract |
細胞分裂がどのような方向で起きるかは、植物組織の形作りにおいて重要な要因である。高等植物の細胞においては、細胞分裂に先行して将来の分裂予定位置の細胞表層に前期前微小管束(Preprophase band:PPB)と呼ばれる微小管の束が出現し、紡錘体形成と共に消失することが知られている。細胞板が伸長する時期にはPPBは存在しないため、PPBの機能は分裂予定位置に何らかの情報を残すことと考えられているが、情報の実体は未だに不明である。 アクチンフィラメントは微小管と並ぶもう一つの主要な細胞骨格系である。細胞質内質を遠心処理により移動したシダ原糸体においては、PPBの存在する分裂予定位置の細胞表層から細胞中央に向かってアクチンフィラメントが伸長することを私は発見した。また、反対に、タマネギ根端細胞などではPPBの消失後の分裂予定位置の細胞表層にはアクチンフィラメントが存在しないことが報告されている。分裂予定時期細胞表層におけるアクチンフィラメントの存在状態が、分裂予定位置に残された情報の実態を探る上で重要と考えられるが、アクチンの分布は蛍光顕微鏡レベルでしか調べられていない。 本研究開始の当初は、シダ原糸体を材料とし、急速凍結法と細胞モデル作成法を用いて分裂予定位置のアクチンフィラメントの存在状態を電子顕微鏡レベルで解析する計画であった。しかしながら、シダ原糸体における解析は難しかったため、加圧凍結法を用いたタバコ根端を用いて解析を行った。通常のオスミウムのみによる凍結置換ではアクチンフィラメントの同定は不可能だったが、凍結置換液に酢酸ウランを加え、切片の厚さを通常の約半分(40nm)にし、細胞膜に平行な切片を作成したところアクチンフィラメントが多数観察された。現在、PPBの発達前後の分裂予定位置におけるアクチンフィラメントの分布の解析を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)