プロテアソームによる精子鞭毛運動開始のスイッチング機構の解明
Project/Area Number |
09740622
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Tohoku University (1998) The University of Tokyo (1997) |
Principal Investigator |
稲葉 一男 東北大学, 理学部, 助教授 (80221779)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 精子 / 鞭毛 / ダイニン / プロテインキナーゼ / モータータンパク質 / プロテアソーム / タンパク質リン酸化 / 細胞内情報伝達 / 鞭毛運動 / プロテアーゼ / リン酸化 / ユビキチン / タンパク分解 |
Research Abstract |
鞭毛繊毛運動の調節にはタンパク質のリン酸化が重要な鍵を握っている。これまで、サケ科魚類精子を用いた研究により、高分子量多機能プロテアーゼであるプロテアソームが微小管に結合して存在し、精子運動開始のスイッチングに関与していることを明らかにした。その機構としては、プロテアソームは精子鞭毛のcAMP依存性プロテインキナーゼを活性化し、その結果、ダイニン軽鎖がリン酸化される経路が考えられる。本年度はまず、プロテアソームの下流にあって、リン酸化によりダイニンの活性調節に関与しているダイニン軽鎖のcDNAクローニングを行なった。その結果、この軽鎖がマウスにおいて受精障害や伝達率歪曲に関与することで知られているtctex2と相同であることがわかった。このことは、このリン酸化経路が精子の運動性や受精と密接に関係していることを示唆するものである。また、このリン酸化ダイニン軽鎖の脱リン酸化に関与する酵素を部分精製し、オカダ酸に対する感受性、及び免疫化学的反応を調べた結果、PP2Aタイプのホスファターゼがダイニン軽鎖の脱リン酸化に関与していることがわかった。これはいままでの報告と異なるが、単離したリン酸化ダイニンを基質として用いている点、本研究の信頼性は高いと考えられる。一方、プロテアソームの基質タンパク質を検索する目的で、鞭毛軸糸の高塩濃度溶液抽出液に、これまで確立した方法で精製した26Sプロテアソームを加えた。その結果、60kDaのタンパク質の量が滅少することがわかった。このタンパク質が精子鞭毛のプロテアソーム基質の最有力候補であると考え、今後は精製及びcDNAの単離を早急に行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)