Project/Area Number |
09740627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久冨 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60231544)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 視覚 / 視物質 / 光受容カスケード / 発現 / 遺伝子組換え / S-モジュリン(リカバリン) / グアニル酸シクラーゼ / Gタンパク質共役型受容体 / アレスチン / Gタンパク質共役型受容体キナーゼ |
Research Abstract |
本年度の研究では、昨年度までの円口類・魚類・両生類に加え、ハ虫類の視物質に関しても、遺伝子の単離や一次構造の解析を行った。夜行性のヤモリと昼行性のヤモリは、近種ではあるが形態の大きく異なる視細胞を持っている。我々は、昼行性ヤモリの網膜に発現する視物質遺伝子を検索し、両者の視物質がよく似ていること示した。それら遺伝子の発現する視細胞を調べることによって、夜行性のヤモリと昼行性のヤモリの視細胞タイプの対応関係を明らかにした(谷口ら、1999)。また、カエルの短波長感受性視物質をコードすると考えられるcDNA(FCVと名付けた)を単離し、それが短単錐体に存在することを報告した。さらにカエルから、ニワトリやキンギョの青感受性視物質に類似したcDNA(RcVP-MS)を単離し、部分ペプチドを大腸菌中で発現させて、抗血清を作成した。抗血清の反応性を調べた結果、カエルの緑桿体に陽性反応が見られた(久冨ら、1999)。すなわち、カエルの緑桿体には、他の動物の錐体に類似した視物質が発現していることを示した。これらの結果から、ヤモリやカエルの習性が、視細胞の形態変化と関連があることを示唆した。 視物質以外の光受容に関与するタンパク質のうち、S-モジュリンについては、2カ所のカルシウム結合部位(EF2とEF3)を改変した組換え体を作成し、EF3に先にカルシウムが結合し、膜への親和性が増大することを示した。さらにEF2にカルシウムが結合することで、視物質のリン酸化が阻害されることを明らかにした(松田ら、1998)。また、S-モジュリンのC末の配列がロドプシンリン酸化の効率に影響を与えていることを示した(松田ら、1999)。メダカのグアニル酸シクラーゼをコードするcDNAを単離し、それらが桿体と錐体で別々に発現していることを明らかにした(久冨ら、1999)。
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