南極氷床用レーダ信号の精密解析による電波伝播特性の解明
Project/Area Number |
09750002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 秀二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250476)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ice / dielectric / permittivity / radar / Antarctica / permitivity |
Research Abstract |
2年次にわたる研究の2年目として、以下の作業を実施した。1年次に継続し、南極観測氷床レーダデータの解析に大きな重点をおいた。解析したデータ出力と、氷床内部での電波伝搬の理論計算との比較を実施した。特に、1年次に整えた計算機環境を利用し、データの編集と分析をおこなった。 解析作業は、日頃から連携して研究をすすめている文部省国立極地研究所と郵政省通信総合研究書の研究者との連携のもとに実施した。備品として、昨年度整備したワークステーションに加え、小規模なデータ整理のために小型のウインドウズパソコンを導入しこれを活用した。 その結果、当初研究目的に掲げていた以下の事項が明らかになった。 1: レーダ信号の精密解析により、南極氷床氷体内部の電気的・力学的・化学的層構造が広域にわたり明らかになった。特に、氷体の内部には、電波反射する4種類の物理機構があることを解明した。これらは順に、(1)密度構造に起因する誘電率実数部の変動、(2)氷体内部の結晶方位構造に起因する誘電率実数部の変動、(3)氷体内部の酸性度構造に起因する高周波電気伝導度の変動、(4)電波を一切散乱しない無散乱帯。これらの4ゾーンを検知すれば氷体内部の物理構造を電波を用いて遠隔探査できることを示した。 2: 氷体内部のメガヘルツ帯(今回は特に60と179Mhz)での電波伝搬特性を明らかにした。 これらの成果は、国内の関連学会で口頭で発表したほか、中国で1998年9月に開催された国際南極雪氷学会において、研究成果を報告し、また同時に米国の学術雑誌Journal of Geophysical Researchに成果報告論文を投稿した。これは1999年1月19日に受理された。また、本課題と密接に関連する、南極での観測データと実験室での氷の分析の結果から1編のデータレポートとさらに1編の論文発表を実施し受理された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)