水酸化ニッケル単層ナノクラスターの磁気相転移の研究
Project/Area Number |
09750013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
一柳 優子 横浜国立大学, 工学部, 助手 (90240762)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Two-dimensional systems / Nanometric crystals / Magnetic relaxation / Magnetization / Mesoscopic system / Ising system / QMT / Susceptibility-ac / Mesoscopic systems |
Research Abstract |
1. 水酸化ニッケル単層ナノクラスター(Ni-MNC)の緩和現象について (1) 交流磁化率の周波数依存性について、特に低周波でのダイナミクスを詳細に解析するため、SQUIDにより交流磁化率を測定した。その結果χ^'_0,χ^"_0の周波数依存性は、共に15K以下で顕著になることが明らかになった。この物質の常磁性緩和が、上記の温度範囲で生ずると思われる。 (2) 残留磁化の時間変化から、そのviscosity(粘性)を求め、この系の磁化の量子メゾスコピックトンネル効果が現れる可能性を指摘した。 2. クラスター間磁気相互作用について Ni-MNCのクラスター間相互作用を明らかにする目的で、クラスター濃度の異なる試料の直流磁化率を測定した。約16K以上では、両者の磁化率は一致しているのに対し、低温では転移温度に違いが見られ、クラスター間磁気相互作用の影響を反映していると思われる。 3. 二次元イジング性の検証 各温度領域における磁化-磁場曲線の結果に、超常磁性の理論と、正方イジング強磁性の理論を用いてfittingを行った。20K以上の領域では、超常磁性のモデルが良く一致し、転移温度Tc直下の10K、およびTc以下の5Kの領域では、正方イジングを修正し三角格子に近づけたモデルが、比較的良く一致した。現在のところ、三角格子についての厳密な理論は発表されていないが、Ni-MNCの示す磁性が、二次元イジング強磁性理論と比較し得るという点が、初めて確認された意義は大きい。 4. 研究発表会 平成9年8月 磁性物理学国際会議 参加、発表 (オーストラリア、ケアンズ) 平成9年10月 日本物理学会秋の分科会 参加、発表 (神戸大学) 平成10年3月 日本物理学会年会 参加、発表 (東邦大学) 平成10年6月 超微粒子等国際会議 参加、発表 (カナダ、バンクーバー) 平成10年9月 日本物理学秋会の分科会 参加、発表 (沖縄国際大学) 平成10年10月 粒子表面、ナノ構造シンポジウム 参加 (東工大) 平成11年1月 微小領域の磁性と伝導研究会 参加、発表 (京都大学) 平成11年3月 日本物理学会年会 参加、発表予定
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)