Project/Area Number |
09750033
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑 浩一 三重大学, 工学部, 助手 (30228465)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 電界放出 / 電子源 / Taylorコーン / 電界放射顕微鏡 / 液体金属イオン源 / リチウム / タングステン / 電界放出顕微鏡 |
Research Abstract |
平成9年度の液体窒素を用いた液体リチウムコーンの急冷凍結による長寿命化の検討に引き続き、平成10年度はリチウムの蒸発に応じたその場蒸着による長寿命化(逐次蒸着法)の検討を行った。この方法は、蒸発によるリチウムの減少に伴い、コーンから放出される全電流も減少することがこれまでに判明しているため、放出電流を常時モニターし、電流減少に応じて動作中のタングステン陰極側面にリチウムをその場蒸着するものである。今回、リチウム蒸着をシーケンシャルに自動で行うための制御電源を新たに試作し、これを用いて実験を行った。その結果、初期放出電流が200μAで、蒸着開始および終了する放出電流をそれぞれ、170μAおよび180μAに設定したところ、蒸着源の熱的慣性で多少の応答遅れが見られたものの、約4分毎に首尾よく蒸着を繰り返し、10時間以上電流放出が継続した。電流放出中に観測された電子放出パターンは、リチウムコーンが形成されていることを示す円形の輝点であり、その場蒸着中でもその位置やサイズ、および明るさの強度には変化が見られなかった。これらの実験結果から、逐次蒸着法は、電界放出型液体リチウム電子源の長寿命化に適した方法であると思われる。 次に、残留ガス圧に対する放出電流の安定性を調べるために、液体リチウム電子源動作中の真空槽内に乾燥大気を導入し、真空度に対する電流変化を調べた。その結果、大気への暴露量が1ラングミュア(L=10^<-6>Torr・s)に達すると、放出電流は急激に不安定となることが判明した。後に、大気の主成分である窒素および酸素をそれぞれ導入したところ、窒素を導入した時にのみこの現象が見られる事から、コーン表面で窒化リチウムが1分子層程度形成され、表面が固化したことが原因と思われる。(投稿論文準備中)
|