Project/Area Number |
09750035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 正路 九州工業大学, 工学部, 助手 (60264131)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / シリコン / 薄膜 / 表面変性エピタキシー / 水素終端 / 表面構造 / 低速電子線回折 / イオン散乱分光法 / 表面変性エピタキシ- |
Research Abstract |
半導体表面・界面に存在する水素に関連した研究は、その物理的、化学的な性質を解明しようとする基礎的観点と水素終端表面に発現する新しい物性を半導体プロセスの低温化や薄膜の自己組織化による新機能誘起などに利用するという応用的観点の双方からその重要性が確認され、最近特に関心が高まっている。そこで、半導体表面に水素原子が吸着したときの、水素による表面物性・表面形態の変化を走査トンネル顕微鏡(STM)によって調べた。以下に得られた知見を示す。 (1) Si(100)表面上のBi一次元構造 Si(100)表面にビスマス(Bi)を吸着させた後、500℃付近でアニールをおこなうと、Bi-dimersで構成された一次元構造(Bi line構造)が形成された。この構造上には欠陥もほとんどなく、長さが300nm以上のものも観察された。この一次元構造はテラスに埋め込まれており、さらに非常に安定な構造であることがわかった。一次元構造に沿った方向に原子の拡散が促進され、それによって基板表面上にinletやpeninsulaを作ることが明らかになった。さらにこのようなBi line構造が存在する表面に原子状水素を曝露させ、そのときの構造変化をSTMにより調べた。それにより、一次元構造は吸着水素によって壊されることがわかった。 (2) Si(111)表面上の水素吸着 Si(111)表面に室温で水素を吸着させるとDAS構造のrestlayerとSi adatom clusterが観測された。さらに水素吸着によってrestlayerのfaulted側とunfaulted側を分けているdimer wallが移動することがわかった。この表面をアニールするとcraterが形成された。これはアニール時にSi adatomがclusterとして表面サイトから移動し、それによって局所的なSi原子不足になりcraterが形成されると考えられる。 [今後の研究計画] シリコンカーバイド(SiC)は耐環境デバイスやパワーデバイス用半導体材料として注目されており、最近特に研究がなされている。しかしその表面構造などはまだ解明されていない。SiC表面上に及ぼす水素の影響を調べることによって、清浄表面構造の決定、水素による表面構造の制御や水素吸着による自己組織化への道を探る。
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