Project/Area Number |
09750045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡 和彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00194324)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 散乱 / 偏光 / 金属粗面 / リタデーション / 光ヘテロダイン干渉 / 直交2周波光 / 傷検査 / 複素屈折率 |
Research Abstract |
金属粗面によって散乱された光の偏光状態は、粗面の幾何学的な形状や金属の複素屈折率などに依存する。本研究では、この散乱に伴う偏光変化、特に互いに直交した偏光成分間の位相差(リタデーション)と金属表面の統計的な特性の関係を明らかにし、新しい表面検査法としての応用を示した。 1. Kirchhoff理論に基づいた理論解析を行ない、散乱光のリタデーションと粗面の統計量との関係を明らかにした。この結果、散乱光のリタデーションが、粗面の傾きの確立密度分布と、材質の複素屈折率によって決まり、RMS粗さや相関長などには陽には依存しないことが示された。これは、散乱光のリタデーションが、散乱光の強度とは異なる情報を持つことを意味する。 2. 金属粗面上の各所から散乱された光のリタデーションを測定するための光ヘテロダイン偏光干渉計を試作した。この干渉計では、直交2周波光源を用いることによって、微弱な散乱光のリタデーションを高精度で測定することが可能である。さらに、二重回折結像系と空間周波数フィルタを利用して、粗面上の各部からある特定の角度で散乱された光のリタデーションの分布を測定することができる。 3. 2.の実験系を用いて、上記理論の妥当性を確認した。局所的な傾きの確立密度分布が異なるいくつかのサンプルについてリタデーションを測定し、理論式により推定される値との比較を行ない、良好な一致を得た。さらに、この実験系を利用して、冷延鋼板上の傷や局所的な組成変化によってリタデーションが変化することも確かめ、表面検査に応用できることを示した。
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