Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
本研究は、X線・中性子線干渉計を基礎物理、あるいは物性物理の分野で広範に応用していく上で不可欠なノンモノリシック構造、分離型2結晶干渉計の開発を目的としている。前年度は、まず、X線・中性子線両領域での測定・制御システムの整備をした。さらに、分離型干渉計の設計に不可欠な、X線ビームの横可干渉性の干渉パターンに及ぼす効果を測定する実験も行った。また、放射光を利用して、設計・製作された干渉計の予備的実験を行った。本年度は、まず、ラウエ反射とブラッグ反射を用いた二つの型の分離型干渉計に関しての実験を進めた。予備的な実験を通して、前者の場合には、完全結晶中の反射波が微少な角度発散(2arcsec程度)を持つために、結晶でのラウエ反射中の、いわゆる、ボルマン・ファンによってビーム断面積中に実質的な光路差が生じることが判明した。また後者においては、我々が実際に製作したセンチメータ・スケールの干渉針の場合には10^<-3>arcsec以下の角度安定性が必要なことがわかってきた。このような角度の安定性を有した機器を入手することは、時間的にもコスト的にも現在非常に困難である。そこで我々は、次に、第三の型、入射角90度の反射板を用いる分離型干渉計、の製作および予備実験を行った。予備実験は、高エ研の放射光実験施設PFのBL-15Cにおいて行われた。将来の実験を進めていく上で最も重要な収量の見積もりでは、X線領域においては、PFの様な第2世代の放射光光源よりもSpring-8の様な第三世代放射光光源を利用することが将来的の応用実験に望まれることがわかった。現在、干渉計の機能を確証する事が急務であり、我々の有する高機能LLL型干渉計を組み合わせつつ光学要素の最適化を図り、放射光を用いた実験を早急にこ進めている。
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