ソリトン・セルオートマトンの基礎的および応用的研究
Project/Area Number |
09750087
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Engineering fundamentals
|
Research Institution | Waseda University (1998) Ryukoku University (1997) |
Principal Investigator |
高橋 大輔 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50188025)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | ソリトン / セルオートマトン / 可積分 / 超離散 / 差分方程式 / パンルベ方程式 / 交通流 / カオス / 超離散極限 / 非線形波動 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は超離散化手法を用いたセルオートマトンの代数構造の解析とその応用であった。そして本年度の研究は大きく分けて以下の3つである。(1)差分ソリトン方程式を超離散化によってセルオートマトンに翻訳しそのダイナミクスを解析する。(2)差分バーガーズ方程式の超離散化をベースとして交通流の解析を行う。(3)パンルベ方程式・ソリトン方程式の超離散化によって得られるセルオートマトンをもとにセルオートマトンの可積分性について提案する。 (1)では差分ロトカ・ボルテラ方程式、戸田分子方程式から超離散化によって単純な規則で定義される粒子系に翻訳することができた。そしてその粒子系のもつ代数構造(ソリトン解、保存量など)が元のソリトン方程式と等価であることがわかった。さらに、その粒子系の時間発展規則がソーティングアルゴリズムとして解釈でき、ソーティングアルゴリズムの解析学的取り扱いを可能にした。 (2) では差分バーガーズ方程式を超離散化によってルール番号184のECAに帰着することができた。このECAは交通流の基礎となるセルオートマトンであり、解の漸近挙動が渋滞相、非渋滞相に分かれることが知られている。この現象をバーガーズ方程式の初期値問題として捉え、現象の起こる理由の解析学的証明に成功した。そして、バーガーズ方程式を拡張して再び超離散化をとることにより、より現実的な現象を再現できる交通流モデルを提出することに成功した。 (3) では差分パンルベ方程式や差分ソリトン方程式の可積分性の判定に用いられる特異点閉じこめ法が超離散化によってどのような結果を生み出すかを観察した。そして差分方程式での特異点および有限値が超離散方程式においては有限値と摂動に変換されることを発見し、このことから超離散方程式の可積分性を定義することに成功した。また、特異点閉じこめ法とリャプノフ指数との直接的な関係を明らかにし、ソリトン理論における可積分性とカオス理論における可積分性とのつながりを解明した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)