Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
人工膝関節をより長寿命化するためには,その寿命の決定因子である各種動作によって生じる力学的状態を把握する必要がある.よって本研究では最も一般的な歩行動作中において人工膝関節が受ける力学的状態の算出とその影響の検討を行った.まず歩行動作中の膝関節の動きを検討するために,下肢全体を2次元でモデル化し,歩行解析の測定値を入力条件として,各下肢関節の外力モーメント,膝関節の外力を算出し,さらにこれらの値より最適化手法を用いて,歩行動作時の膝関節接触反力ならびに接触位置を計算した.計算に際し,人工膝関節の接触面形状,特に両コンポーネントの拘束度による膝関節動作への影響を検討するために,接触面の拘束度が低い表面置換型と,対照的な形状を持つ円筒面型について解析・検討を行った.その結果,表面置換型では膝関節の接触位置が大きく後方に移動し,円筒面型においては接触位置は全く移動しないが,垂直,水平両関節反力が大きくなることがわかった.ついで,求められた接触条件を荷重入力条件として人工膝関節装着脛骨の応力解析を行った.歩行動作中における骨セメントと骨との界面上の応力値の変動を評価した結果,関節面形状ならびに十字靭帯有無の違いにより生じた接触位置ならびに接触力の差により,表面置換型では脛骨前後部の皮質骨部分で,また円筒面型では中央部の海綿骨部分でそれぞれ大きな応力値を生じることがわかり,これらの違いがコンポーネントのゆるみに影響を及ぼしていると考えられる.なお実際の膝運動は3次元的に動いており,膝の回旋,内反・外反などの3次元運動がゆるみに及ぼす影響を検討するため,実験ならびに解析を3次元に拡張する予定であったが,当初使用を予定していた実験装置が使えなくなり,現在やっとその代替装置が使えるようになった状態で,この3次元解析の結果はまだ出ていない.よってこれらの検討は今後の課題とした.
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