微視付着力の直接計測とダイヤモンド薄膜付着の新しい強度評価基準の創成
Project/Area Number |
09750094
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神谷 庄司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00204628)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | ダイヤモンド薄膜 / 付着強度 / 単独粒子破壊試験 / 破壊抵抗 / 界面き裂進展 / コンピュータシミュレーション / き裂進展抵抗曲線 / 界面破壊じん性 / 単独核破壊試験 / 結合エネルギー / 圧子押込み試験 / 荷重変位曲線 / はく離進展 |
Research Abstract |
本研究は、薄膜を構成する結晶核単独の付着力に着目し、これに基づいて化学気相合成法(CVD)により合成されたダイヤモンド薄膜の付着強度評価を行うことを目的とするものである。本年度は、昨年度の研究成果を踏まえ、以下の項目に関する研究を行った。 コンピュータシミュレーションによる評価パラメータの抽出 基板上のCVDダイヤモンドの結晶粒子について、基板との界面におけるき裂進展のシミュレーションを行った。進展中のき裂前縁におけるエネルギー解放率が進展量によらずに一定であると考えた場合、き裂の進展に要する負荷荷重すなわちき裂進展抵抗は、き裂進展量の小さい領域では進展とともに増大し、あるき裂進展量で極大値を取った後、き裂進展量の大きい領域では進展とともに減少することが明らかとなった。き裂進展に必要な荷重の極大値は、昨年度において実験的に計測された粒子を脱落させるために必要な負荷荷重、すなわち粒子の破壊抵抗値に対応しており、シミュレーション結果から得られる負荷荷重の極大値と実験的に得られた破壊抵抗値を一致させることにより、界面き裂進展の限界エネルギー解放率すなわち界面破壊じん性を評価することに成功した。CVDダイヤモンドと基板との付着強度を界面破壊じん性として明確に定量評価した例は、世界的にもほとんどない。また、同手法により求められた界面破壊じん性はダイヤモンド粒子の大きさによらずに一定であることから、核は巨視的に特別な強度を持たず、ダイヤモンド薄膜の付着強度と核発生密度との間に直接の比例関係が期待できないことが新たに示唆された。 さらに、本研究により確立された界面破壊じん性評価法を駆使して合成条件の異なるCVDダイヤモンドの界面破壊じん性を計測し、非晶質グラファイトの微量混入により界面破壊じん性が著しく大きくなることが見出された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)