Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
大気圧下非平衡プラズマにおいて,高効率な物質変換プロセスを実現するためには,プラズマ反応場の温度制御が重要な課題である.そこで今年度の研究では,プラズマの冷却効果が高いことで知られる沿面放電を対象に,大気圧下非平衡プラズマの伝熱機構の解明を試みた.プラズマ伝熱では,通常の温度勾配に基づく熱移動に加え,荷電粒子や活性種を介した熱移動も生じることが特徴である.そこで,比較的大きなエネルギーを輸送すると考えられる準安定励起種に着目し,空気,窒素,アルゴン,二酸化炭素による噴流下で沿面放電を形成し,プラズマから誘電体に伝達された熱流量を測定した.以下に,本研究で得られた主な結果を示す. 1. 準安定励起種が壁面への伝熱量におよぼす影響 準安定励起準位を持たない二酸化炭素では,消費電力の約90%が熱として誘電体に伝達された.続いて,空気(75%)>窒素(64%)>アルゴン(60%)の順で誘電体への伝熱量が低下した.準安定励起種を介したエネルギー輸送により,沿面放電から誘電体への伝熱量が低下することが明らかとなった. 2. 高周波高電圧電源の開発 パワーデバイスを用いた大電力高速スイッチングにより,5kHz〜150kHzの正弦波高電圧を発生する回路を開発した.本回路を用いれば,繰返し周波数20kHzのパルス電圧を発生することも可能である. 3. 電圧-電流特性の評価 放電維持電圧-放電電荷特性は,気体の種類,周波数(7kHz〜100kHz)によって大きく変化しない.一方,プラズマから誘電体への伝熱量は,周波数が高いほど増大する傾向が見られた.また,パルス電圧を印加すれば,誘電体への伝熱量は大幅に低下する. 4. 熱・物質移動現象の制御 消費電力に占める誘電体への伝熱量の割合は,Re数の増大とともに低下していく.これは,準安定励起種を介したエネルギー輸送により,プラズマで発生した熱が主流に持ち去られるためと考えられる.したがって,準安定励起準位を持たない気体では,冷却効果が高まることになる.
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