Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
リバーンゾーンにおけるNOx還元機構を明らかにするために,前年度は排ガス(温度1000℃,組成O_210%+CO_210%+H_2O10%+N_270%+NO100ppm)の一様流中に還元剤ガス(温度350℃,組成O_210%+CO_210%+H_2O10%+N_268%+CH_42%)を噴射する同軸流反応場について二次元の詳細反応数値計算を行ったが,NOがHCN等中間生成物に変換される経路は確認されたものの,N_2にまで還元される経路は確認されなかった. そこで本年度は計算対象を排ガスと還元剤ガスの対向流反応場に変更し,より広い条件範囲(排ガス中のNO濃度0〜400ppm,還元剤ガス中のCH_4濃度0〜4%)に対してN_2までの還元経路の有無を調べた.反応機構としてはGRI-mech2.11ではなくP.Kilpinenらが特にNOxのリバーン反応に着目してまとめた素反応群を用いた.両ガスの温度及び組成(NOとCH_4以外)は前年度と同一である.対向流の両境界間の距離はl.5cmとし,噴射速度は4〜16cm/sとした.その結果,排ガス中のNO濃度が高くなるに従ってN_2に還元される経路が出現し,それが増大することがわかった.具体的には,NOから直接またはHCNO経由でHCNになり,続いて直接またはCN経由でNCOになり,最後にNOと反応してN_2Oになった後にN_2になるという経路である.またCH_4濃度を0%から3%まで増加させるとNOの還元は活発になるが,4%になると発熱を伴う燃焼反応が生じて新たにNOが生成されるためにその消滅量はむしろ減少することがわかった.また,N_2にまで還元される速度は最大でもNOの消滅速度のわずか5%程度であった. 一方実験に関しては本年度は噴射管と周囲流からなる同軸流燃焼器を製作した.これについてメタンと周囲空気流の燃焼実験を行ったところ,周囲流の整流が不十分であるために定常な火炎が形成できず,整流部の改良が必要であることが明らかになった.従ってガスクロマトグラフ質量分析計を用いてNOx濃度を測定し,計算で用いた反応機構の検証を行うことは今後の課題として残された.
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