Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,単一液滴の微小爆発の発生機構について調べ,微小爆発を利用した液体燃料の二次微粒化過程に対し新たな知見を得ることを目的とした.特に,実用燃料の多成分性に注目し,物性の大きく異なる混和性の二成分から成る燃料を用いて,非接触浮遊の状態で燃焼する液滴を対象として実験を行った.また,均質核生成理論に基づいた微小爆発の確率的発生モデルを提案し,実験結果との比較検討を行った. 微小爆発の発生確率の初期液滴直径依存性を調べた結果,初期液滴直径が小さいほど発生確率が低下することが明らかになった.さらに,初期液滴直径が同一でも微小爆発発生時間はばらつくことが実験的に明らかになった.混和性二成分液滴の蒸発期間は,高揮発成分の優先的蒸発期間,加熱期間,準定常的蒸発期間に大別できるが,微小爆発の発生頻度はこの準定常的蒸発期間初期において最大値をとり,時間とともに減少した.この傾向は,均質核生成理論に基づいた微小爆発の確率的発生モデルによりよく説明することができた.これにより,液滴の微小爆発現象は密度ゆらぎによる均質気泡核生成により引き起こされる確率的性質を有する現象であることが示された.また,本モデルをLPG混入軽油を用いた噴霧燃焼に適用し,微小爆発発生の可能性,微粒化能力,今後の課題を示した. 本研究により得られた実験結果およびモデルは,混和性多成分燃料の二次微粒化だけでなく気体溶解液体燃料の二次微粒化過程の解析への拡張も可能であり,二次微粒化を利用した噴霧燃焼技術の開発時には重要な役割を果たすことが期待される.
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