Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
凝固相変態を利用した材料製造においては,固相の組成や組織を微視的レベルで制御することが要求され,ここに熱的操作条件としてのマクロ量と組織・構造のミクロ量との連成が課題となる.Bi-Sn合金を供試した動的凝固のその場凍結実験を行い,過冷却と壁面冷却からなる融液の凝固過程とマッシュ域-(固液共存域)で形成されるミクロ組織の詳細を,金属特有の固溶体の問題を含めて追究し,以下の成果を得た. 1) SEMによる組織観察とX線アナライザーによる構成元素の分析により,溶質原子の固相への取り込みと融液側への排出を含めて,マッシュ前線部で形成されるミクロ組織の形成機構がマクロな伝熱場との関連づけのもとで理解された. 2) 分配係数が1に近い合金系においては,固液界面で排出される溶質の一部を固溶体として結晶内部に取り込むため,組成的過冷による結晶界面の高次・複雑化が抑制される.初期組成が小さく局所冷却速度が小さいほど高次アームを持たないセル状結晶の形態になりやすく,その逆の場合にはデンドライト状となることが明らかとなった. 3) 分析で得られた知見をもとに,固液界面の安定-不安定遷移とそれによる結晶のミクロ構造の変化(主軸と側枝のスペース間隔,密度)を予測するマクロ・ミクロモデルが提示された. 4) マクロ・ミクロ解析によって計算された主軸間隔,側枝間煽,形態変化及び組成分布についての結果と実験結果との比較により,本モデルの妥当性が示された.
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