Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,非正弦波2相型PLLの精密位置決め機構の変位検出への応用に関するものである.前年度において非正弦波2相型PLLを用いたエンコーダの高精度高分解能の内挿について研究を行い,非正弦波2相型PLLの高精度高分解能変位検出における有効性を確認した.本年度では,前年度の成果を踏まえ,非正弦波2相型PLLを用いた高精度位置決めサーボ機構への応用により,非正弦波2相型PLLの実用におけるその有効性を明かにすることを目的とした. そのため,本研究では,高精度位置決めサーボ機構用高精度変位検出システムを製作し,トラクションドライブを用いた精密位置決め機構用サーボコントローラを開発した.実際の制御実験により,高速高精度位置決めサーボ機構を実現したことが確認された.トラクションドライブは,流体潤滑を利用したローラ間のころがり摩擦により動力を伝達する.トラクションドライブを用いた減速機は,安定で静かな運転ができ,とくに,高速回転において,従来の歯車式減速器に比べ高精度を実現しやすい特徴を持っている.しかし,高精度位置決めサーボ機構には高分解能の位置検出が必要で,一般に用いられている高精度エンコーダが高速回転はできず,トラクションドライブの特徴を生かす高速高精度位置決めサーボ機構が実現されなかった.そこで,本研究では,非正弦波2相型PLLを用いることにより高速回転できる低分解能非正弦波出力エンコーダの精密位置決め機構への搭載を可能とし,この問題を解決した.サーボ機構は高速回転の場合,トルクリップルの周波数が高くなり位置決め誤差が大きくなった問題があったが,本研究では,繰返し制御を用いてこの位置決め誤差の低減を行った.以上の結果から,非正弦波2相型PLLが高速回転する精密位置決め機構のサーボ制御において非常に有効であることがわかった.
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