Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
本研究は,近年実際の構造物への適用例が増えつつある層間設置型制振装置の構造物への配置方法を検討したものである。当該研究対象は,現在装置が普及している日本やアメリカにおいても未確立の問題であり,今後の層間設置型制振装置のさらなる普及を考える上で観点で極めて重要な問題である。層間設置型制振装置の最適配置法の検討で問題となるのは,最適配置法の定義,使用装置数と建物階層数の増大で配置組み合わせが指数乗に増加すること,そして,最適配置が構造物の動特性や設計条件,解析時の入力波に依存することである。このため,最適配置を行う際には,まず,なんらかの高速かつ柔軟性を有した最適化アルゴリズムが必要となる。本研究では遺伝的アルゴリズムを用いている。本年度は,まず,昨年度に引き続き,超高層建物を想定した40層建物モデルに1000体の層間エネルギ吸収型制振装置を配置する際の配置問題において,様々な入力波に対して複数の設計要求を満たすような入力波に対して高いロバスト性を有する最適配置方法を検討した。設計要求としては,建物全層を対象とした最大層間変位の低減,建物に使用する制振装置数の削減,そして,単位装置当たりの平均エネルギ消費量の増加である。これらの設計条件を用いることで,制振効果,経済性,配置効率を評価する。対入力波ロバスト性に関しては,建物の低次のモードを励起するような人工地震波を用い,他の入力波に対して高いロバスト性を有する適正配置の生成を行った。結果より,解析対象建物の低次モードを励起する人工地震波を用いて最適配置を検討することにより,他の入力波に対しても設計要求を満たすような対入力波ロバスト性を有した最適配置が得られることを明らかにした。また,次の段階として,本研究結果を実証することを目的とした実験モデルの設計を行い,40層建物を5層建物モデルにて表現可能なスケールダウンを試みた設計を実施し,その予備解析を行った。
|