Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,ディタル方式の単板磁気特性試験法により,電磁鋼板の超低周波から商用周波帯域における磁気特性の高精度測定法を確立することである.本年度の成果を要約すれば,以下のようになる. 1. 開路型単板磁気試験器を用いたディジタル磁気特性測定システムにおける波形制御法 電気機器で発生する騒音の一因である磁歪を測定する場合,ヨークを有する閉磁路型単板磁気試験器(SST)では,試料とヨーク間に働く電磁力が問題になる.そこで,開磁路型SSTを製作したが,端部における磁界の低下を補正するための補助巻線が必要であり,主巻線のみの閉磁路SST用の波形制御法は不十分であった.今回,主および補助巻線の両方を制御することにより,閉磁路SST用制御法と同程度の制御特性が実現できた.これによって,従来困難であったアモルファス金属薄帯の磁歪測定力呵能になった. 2. 位相ずれが鉄損測定精度に与える影響 種々の測定システムで高磁束密度領域の鉄損を測定したところ,定性的に妥当な傾向が得られない場合があり,主にHコイルおよびA/D変換器が原因であることが明らかになった.特に,超低周波用Hコイルでは,S/N比を向上させるために,多層巻きにして巻数を多くしており,その場合には線間の静電容量により位相ずれが相当大きくなる.そこで,位相ずれの周波数特性をあらかじめ測定し,ソフトウェア的に補正する方法を検討した結果,妥当な精度が得られることが明らかになった. 3. 地磁気による直流偏磁の低減法 SSTのみでは,試料の幅方向を地磁気の方向に一致させれば,試料の反磁界により,地磁気の低減が可能であることが明らかになった.しかしながら,磁気特性と機械的特性の相関を検討するために,SSTと引張試験機を用いた装置を試作したところ,引張試験機の支柱等が磁化されているために,上記知見が通用しないことが判明した.そこで,引張試験機の消磁を行うとともに,SSTと引張試験機を一体として回転することにより,パーマロイのような高透磁率材料においても,偏磁の影響がない磁気特性測定が可能になった.
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