Project/Area Number |
09750330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
石田 隆弘 静岡理工科大学, 理工学部, 講師 (00247579)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 部分放電 / 群小部分放電 / 絶縁劣化 / 劣化診断 / 表面電位 / 帯電 |
Research Abstract |
本研究では研究計画に示したように、まず表面電位針を用いた絶縁材料表面の電位分布を2次元で測定するための測定システムの設計・製作を行った。X-Yステージに表面電位計の測定プローブを設置し、100×100 mmの範囲を2次元的に走査させ、10,000pointの表面電位を測定することとした。 実験はPMMA板、Epoxy板、ガラス板を試料とし、試料の材質による表面の帯電状態の違いや、表面の粗面化による帯電状態の違いについて検討を行った。試料は50×50mm、厚さ1mmとし、試料板を針対平板電極間に設置し、針電極側から直流負極性放電を発生させ、開発したシステムにより試料の表面電位分布を測定した。なお、試料表面と針電極先端の距離は1mmとした。 表面が滑らかな状態の試料を用いて行った実験の結果、PMMAおよびEpoxy試料では針電極直下あたりに負極性の円錐形の表面電位分布が認められたのに対し、ガラス試料においては低い電位がほぼ表面全体に広がる傾向が認められた。一般にガラスはPMMAやEpoxyに対して耐部分放電生が高いことが知られている。今回の結果から、表面全体に放電エネルギーが拡散することにより、放電に対する耐性が高くなることが示唆される。 次に放電によって表面が劣化した状態を模擬した表面を粗面化させた試料と、表面が滑らかな試料の比較を行った。表面を粗面化した試料では表面電位の広がりが狭くなり、複数ヶ所で電位分布が認められた。これは表面が粗面化されることにより放電の広がりが小さくなったこと、表面のあれにより局所的に電界分布が変わり放電が発生しやすい状態となったことが原因であると考えられる。これまでの電気的計測では、放電による劣化が進むと放電電荷量が小さくなり、放電個数が増加する傾向が認められており、今回の表面電位の計測結果から、この原因が絶縁体表面の電位の広がりに起因していることが考えられる。 以上の結果より、絶縁材料の表面での電荷の広がり易さおよび表面状態が、放電による劣化に影響を与えている可能性があることが明らかとなった。
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