Project/Area Number |
09750344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 伸広 東京工業大学, 工学部, 助手 (90229469)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | M型Baフェライト / Xe混合ガス / Pt(111)下地層 / 高密度垂直磁気記録層 / 記録再生特性 / W型Baフェライト / 大飽和磁化 / 垂直磁気記録媒体 |
Research Abstract |
昨年度にBaO・n(Fe_2O_3)の組成においてn=6.5とM型BaフェライトよりもFe組成が多めのターゲットからXe混合ガス中でBaフェライト薄膜を堆積したところ、飽和磁化が5.1kGとM型のバルク値の4.8kGよりも大きくなり、微細なW型フェライト結晶子が成長している可能性が示唆された。そこで、n=7.5、8.5およびW型フェライトと同じn=9.0の焼結ターゲットを用いて膜堆積を行ったが、X線回折の結果からは、いずれの場合もより安定なM型結晶子が優先成長し、W型およびZ型のBaフェライト結晶子の存在を確認するには至らなかった。また、SブロックおよびRブロックに相当する組成のターゲットから交互堆積を行った場合も、M型バリウムフェライトおよびスピネルフェライトの結晶子からの回折ピークのみが観察された。そこで、このM型Baフェライト膜の高密度磁気記録層への応用を図った。まず、エピタキシャル下地層としてこれまで用いていたZnO(001)層に代えて、表面熱酸化SiO_2層、Au(111)層、Pt(111)層を検討した。この結果、Pt(111)下地層は熱処理なしでもc軸配向したBaフェライト膜が500℃以上の基板温度で形成できる上に、界面拡散がきわめて少なく、飽和磁化や垂直保磁力等の磁気特性にも優れており、これらの中では最適であると判断した。このPt(111)下地層上にBaフェライト層を堆積したディスクサンプルの記録再生特性を複合型MRヘッド(ライトギャップ0.3μm、リード幅0.2μm)を用いて評価したところ、孤立再生波形からも完全な垂直磁化モードで記録されていることを確認するとともに高い線記録密度D_<50>=130kfrpiが達成されたが、ノイズレベルが現行のハードディスクに用いられているCo-Cr/Cr合金系薄膜と比べると高かった。表面平滑性の向上とともに、結晶子の成長抑制や粒子間相互作用の減少により低ノイズ化を進めれば、さらなる高密度記録にも十分対応できると考えられた。
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