Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
前年度においてSi0:CF混合膜の堆積が可能であることが判明したHMDSO((CH_3)_3-Si-0-Si(CH_3)_3)とC_2F_4の組み合わせを用いた成膜を行い,その耐熱性を調べた.誘電率2.0の100%C_2F_4膜は200℃の加熱で分解したが,誘電率2.5の混合膜は300℃の耐熱性を示した.しかし,400℃の加熱には耐えることはできなかった.その原因を調べ,Si-0とC-CF結合には400℃までの耐熱性があるのに対し,C-H,C-H_2結合は300℃までの耐熱性しかもたず,耐熱性を劣化させる原因であることを明らかにした. また,前年度にその有用性を明らかにしたin situ赤外吸収分光による気相化学種の検出を行った.ガス封じ込め状態で放電し,反応炉内のガス組成をin situ赤外吸収分光することにより,原料の解離過程を明かにし,その挙動を計算機シミュレーションにより説明した.その結果,C_2F_4の分解過程として,CF_2の生成だけではなく,Fの生成とFと原料との反応過程が放電中の化学反応過程として重要であることを明らかにした.FとHMDSOとの反応過程も存在し,耐熱性劣化原因のC-H,C-H_2の生成がFによるHMDSOの解離と関係していた.H_2の添加などによるF消費過程の操作が耐熱性向上に有効であることが示唆された. 次に,現在半導体プロセスで最も良く用いられているC_4F_8をCF源として用い,HMDSO添加によってSiO:CF膜の堆積と気相診断を行い,C_2F_4との比較検討をおこなった.化学的な組成化学結合状態はC_4F_8を用いた場合と比べて差異はなかった.しかし,その耐熱性は同じ誘電率の膜で比較すると,C_4F_8を用いた方が劣っていた.この原因の一つが,C_4F_8を用いた場合に気相中での重合が進行し,高次のラジカルが膜堆積に寄与したためであることを,気相診断により明らかにした. C_2F_4は大気中寿命も0.5日と短く,C_4F_8よりも大気温暖化の効果も少ない.安全上の問題はあるが,本研究により,現在用いられているC_4F_8の代替原料の一つとしてC_2F_4が候補となり得ることを示した.
|