Project/Area Number |
09750356
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 公則 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80228486)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | アモルファスシリコン / 輸送 / 再結合 / 光電流 / 電子スピン共鳴 / 欠陥 / ストレス |
Research Abstract |
本研究では、変調光電流法、光変調電子スピン共鳴法、光電流検出電子スピン共鳴法を用い、水素化アモルファスシリコンのバンドテイル状態とキャリア輸送・再結合過程の定量的評価を行い、またそれらと膜中の熱平衡および光誘起構造乱れとの関連を重点的に調査した。変調光電流法を用いた電子ドリフト移動度の周波数分解測定結果より、テイル準位間のトンネル遷移がキャリアの非熱平衡エネルギー分布を決める主要な因子となっていることが判明し、理論解析との比較からバンド電子移動度、テイルスロープ、電子局在長の分離見積を達成した。デバイス級試料での値はそれぞれ15cm^2/Vs、220K、1nmである。熱平衡構造乱れの程度が様々に異なる一連の試料での測定より、乱れの影響はバンド移動度およびテイルスロープに顕著に現れることがわかった。また、光誘起構造乱れが移動度に与える効果は10%以下と無視できるほど小さいことが実験的に確認された。ただし本手法では正孔の輸送過程についての評価が難しく、現在新たな手段の導入に向け検討を始めている。光変調電子スピン共鳴法、光電流検出電子スピン共鳴法を用いた再結合過程の評価からは、欠陥とテイル間のトンネル相互作用が重要な要素を担っていることが明らかとなった。具体的には室温下において、バンドキャリアが欠陥に直接捕獲されることによって生じる再結合の確率は40%、テイルに捕獲されたキャリアが欠陥にトンネル遷移することによって起こる再結合の確率は60%であること等が見いだされている。キャリア再結合は光誘起欠陥生成と光誘起構造乱れに共通のトリガ的プロセスであることが認識されており、今後この問題の解明に向けさらに緻密な再結合過程の評価が必要と思われる。
|