Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
近年,都市部において高層または超高層の建築物が建設されることが,きわめて普通のことになっている.このような建築物はラジオやテレビの放送波にとって障害物となり、例えば放送アンテナから見て建築物の手前ではテレビの画像にゴーストが発生し,建築物の陰では受信レベルが低下して受信が不可能になる.中小建築物と比較して,高層・超高層建築物が電磁波環境に与える影響は格段に大きく,場合によっては建築物から50kmの地点においても受信障害が発生することが報告されている.このような電波障害の対策費が建築コストの中にしめる割合は、10%以上なることも少なくない.そのため,理論的に障害の起る原因を明らかにし,その対策を講じることによりその影響を減少させることができれば,その経済的なメリットは非常に大きいと考えられる. そこで本研究では、電波無響室内において建築物の縮小モデルを用いた実験を行い,つぎに,電磁波環境への建築物の影響を理論的に検討するためにFDTD法を用いた数値解析プログラムを作成する.さらに、これらの実験結果と解析結果とを比較し検討することにより,高精度な計算プログラムを開発する. 本研究の結果から,実験と計算の両面から放送波に対する建築物の影響を明らかにすることができた.しかしながら、測定システムと数値解析プログラムの両方にわずかではあるが問題点が残されていることも明らかになった. 今後は、さらにFDTD法を用いた数値解析プログラムの改良を行い,受信障害対策として建築物の形状を変えた場合や建築物の壁面に電波吸収体を張り付けた場合についての検討を行う予定である.
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