Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
中高年層のQOL(Quality Of Life)が重要視される中,注目を浴びている疾病に骨組鬆症がある.骨粗鬆症になった骨は脆く,軽微な外力によって骨折しやすく,老年層においてはそのまま寝たきりや家縛りの状態に陥る場合が多い.一方,骨粗鬆症の診断には従来X線による吸収法BMD(Bone Mineral Density)が用いられてきた.これはX線が骨を通過するときに吸収される度合を計測するものであり,ある程度は骨粗鬆症の程度の参考値になる.しかし,骨折しやすいかどうかを知る基準にはならないケースも多く,他の評価指標が望まれている.そこで,ラット腰椎のマイクロX線CTによる高精細な骨断層像を用いて,皮質骨や骨梁構造と,破壊検査による強度のとの相関を調べることにより,新たな評価指標を見つけるべく,科研費のの助成のもと研究を行った.研究期間は2年であり,本年度は2年目にあたる. 昨年度は,骨断層像の空間的構造そのものの連結性などと,5項目に渡る破壊試験結果との相関を調べた.本年度は,空間周波数領域での指標と破壊試験結果との相関を調べた.まず,破壊試験結果と骨強度との関係について明確化するため,5項目の計測値の主成分分析を行った.この結果,5項目は寄与率80%を持つ第1主成分に縮約されることがわかり,これを骨強度とすることとした.一方,骨断層像はウェーブレットパケットによる多重解像度解析を行い,スケール順にスペクトルとして表し,その1次モーメントを求めた.この1次モーメントと骨強度との相関値は,BMDと骨強度との相関値より高く,骨強度を反映するより正確な評価指標となりうることを示した.
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