Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,人間のインピーダンス特性を追値制御実験により推定し,その実験結果を用いて人間-ロボット協調系の訓練システムを構築した.主要な結果は以下の通りである. 1. 人間-ロボット制御系における人間オペレータのインピーダンス特性の解析 ダイレクトドライブ型リニアモータを制御対象とする人間-ロボット協調作業系を構成し,補償型追値制御系における人間のインピーダンス特性を推定した.その結果,1)制御者は系全体の開ループ特性をほぼ一定に保つよう自らの特性を適応的に変化させていること,2)制御者のインピーダンス特性がロボットのインピーダンスパラメータに応じて適応的に変化すること,3)ロボットが不安定な特性を有する場合でも制御者が系全体をある程度安定化できること,4)制御者の上肢の可変インピーダンス特性が作業成績に大きな影響を与えることなどを明らかにした. 2. ニューラルネットを利用した人間-ロボット制御系適応型訓練法の開発 人間がロボットを操縦するシステムではその安全な運用や事故防止の観点から,人間の操作技能を向上させるための訓練システムが必要となる.そこで本研究では1.で解析した人間-ロボット系の制御特性に基づいて操作者の制御動作を訓練するためのシステムを開発した.このシステムでは,1)参照モデルとして熟練作業者の動特性モデルを用いているため,訓練目標が明確でまた特定の軌道に限定されない訓練が可能,2)ニューラルネットの学習能力を利用することにより操作者の熟練度に応じた補助が可能,3)操作者は熟練者の制御動作を力感覚を通じてロボットから感じることができるため直感的な訓練が可能などの特徴を備えている.本研究では訓練システムの基本原理を開発するとともにそのプロトタイプを構築し,ある程度の訓練効果が得られることを確認した. 今後は,開発した訓練システムのリハビリテーションへの応用を試みるとともに,本研究で明らかにした人間のインピーダンス特性をより積極的に人間-ロボット系で利用する方法を開発したいと考えている.
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