Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
近年,制御系の耐故障性を,故障検出によらず制御理論によって保証するインテグリティに関する研究が始められている.既に設計されたせ制御系に対して,故障が生じても制御性能が確保されるかどうかは故障に対応した伝達特性を計算することで検証が可能である.しかし,故障が生じても制御性能が確保されるようにあらかじめ制御器を設計することは難しい.これに対して,これまでに十分条件と必要十分条件を求め,それぞれに基づいた設計法を提案した. 十分条件に基づく設計法は,従来なかった許容する故障の数を陽に考慮した設計法である.数学的には,従来考えられてきた誘導ノルムではなく,フロベニウスノルム有界な不確かさを持つシステムを考え,この不確かさに対してロバスト安定性を保証する設計法を提案した.十分条件であるため保守的な設計法ではあるが,繰り返し計算が必要なく,解の収束性などの問題がない,必要十分条件に基づく設計法は,故障が生ずるすべてのパターンを一つずつモデル化し,それらすべてを同時に安定化する同時安定化問題として定式化するという設計法である.この同時安定化問題は非常に解くのが難しい問題であるが,繰り返し計算により解く方法を提案した.同時安定化問題に基づく定式化において,必要十分条件であるので保守性はないが,解の収束性や最適性については残念ながら保証されない.ただし,数値実験の結果からは有効であると言える. さらに,この同時安定化問題の解法は耐故障性で優位と考えられている分散制御系の設計問題へも拡張が可能であり,分離制御系の設計法として提案した.ただし,分散制御系の耐故障性という観点での優位性については今後の課題である.
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