Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
サイト特性の評価を行なう場合には,水平に一様な境界面を仮定した1次元地盤モデルを用いて,重複反射法による解析が行なわれることが多い.しかし,このような1次元解析では観測データより得られる結果を十分に説明できない場合が少なくないことが知られている。このような現象の原因として,波動散乱が多くの研究者によって指摘されている。そこで本研究では,地層境界の不規則性や地盤材料の不均質性による散乱波が地盤震動特性に与える影響を調べた.さらに,従来,地震動の伝播経路特性およびサイト特性に関する研究は,主に振幅についてのみ行われてきた.そこで本研究では,地震波の位相特性を表す群遅延時間を用い,散乱波が地震動の位相特性に与える影響について調べた. このようなに解析に適する手法として反射/透過行列法を選び,さらにPhase Screen Methodを組み合わせることにより不均質な媒質の波動伝播特性を表現した.解析の結果,境界の不規則性による影響が地盤材料の不均質性の影響に比べて大きいこと,境界の不規則性による散乱は増幅率の大きい周波数領域で分散群遅延時間も大きくなること,地盤材料の不均質性はみかけの減衰に寄与するが位相には大きな影響を与えないことがわかった.さらに,伝播経路における地盤の不均質性による散乱が,地震動に与える影響について波線理論とエネルギー理論を組み合わせることによって解析した.その結果,異方散乱特性と内部減衰を考慮することにより,観測地震記録から求めた分散群遅延時間スペクトル特性を表現できることがわかった.
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