樹木年輪中の炭素安定同位体比を用いた古気候再現の試み
Project/Area Number |
09750593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄 建治朗 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (40283478)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 古気候 / 樹木年輪 / 炭素同位体比 |
Research Abstract |
樹木年輪中の炭素同位体比が年輪形成時の気候環境を反映している可能性が指摘されているが、その応答関係等については不明な点が多い。本研究は、滋賀県南部に位置する太神山(大津市)及び長命寺(近江八幡市)の国有林を主体とする地域から採取されたヒノキ試料について年輪セルロース中の炭素安定同位体比(δ^<13>C)を計測して気象データと照合し、この地方の近過去の気候復元に利用することを目的としている。 1997〜1998年度の2年間に4個体(太神山地区3個体、長命寺地区1個体)合計約350年分の試料についてセルロース中の炭素同位体比を1年輪ごとに計測し、年輪幅や気象要素との相関分析を行った。なお、これらの試料については年輪幅の計測も行われており、2〜4月平均気温と正の相関、5〜7月降水量と負の相関を有することが見出されている。まず、同一個体内の異なる測線聞及び異なる個体間での同位体比の相関を調べたところ、いずれについても同位体比は年輪幅よりもはるかに高い相関性を有することが明らかになった。また、約20km離れた太神山地区と長命寺地区との個体間についても太神山地区内の個体相互間と同程度の高い相関性が見られた。このことは、同位体比の変動が少なくとも20km程度以上の空間スケールをもつ環境要因に支配されていることを示唆しており、同位体比変動から気候が再現できる可能性が見出されたといえる。次に同位体比と各種気象要素との相関分析を行ったところ、初夏(5〜6月)の降水日数と負の相関、春から初夏(4〜6月)の日照時間と正の相関が認められた。初夏の降水との負の相関性は年輪幅にも共通してみられる傾向であり、また早材形成時期の日照と正の相関を有するという結果は、光合成による同位体分別効果に関するこれまでの知見と合致するものといえる。今後もさらに試料数を増やし、この結果を用いてより長期にわたる気候復元を行いたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)