Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究では,都市ゴミ焼却灰を原料とした特殊セメント中の含有重金属の結晶構造と含有重金属の溶出特性の関係を把握するために,これらの廃棄物を用いたセメント焼成実験を行い,この特殊セメントからの重金属の溶出実験を行うものである.昨年度は,セメント焼成実験における実験方法と,焼成実験における各原料の配合条件(水硬率,ケイ酸率,鉄率,および石灰飽和度)と焼成温度,および焼成時間を中心として検討し,配合条件の適切な値と必要な焼成温度,焼成時間を明らかにした. 今年度は,都市ごみ焼却飛灰をセメント原料の10〜40%(重量%)添加した特殊セメントを作成し,粉末X線回折装置にて結晶構造の分析を行うとともに,フッ酸分解ののち重金属の含有量分析を行った.また,この特殊セメントからの重金属の溶出特性を把握するために,土壌環境基準の判定に用いる同告示46号法による試験,長期的な溶出量を把握できるといわれているオランダのAvailavility試験を行った. まず,粉末X線回折の結果,必要な温度で焼成したいずれの特殊セメントにも通常のセメントに含まれる水硬性成分のエーライトが含まれていることがわかったが,重金属の結晶構造は吉良科にできなかった.また環境庁告示46号法の結果,Cd,Pbは検出限界以下となったが,いずれの特殊セメントも6価Crの値は土壌環境基準値を上回り,最大で焼く3倍であった.さらにAvailavility試験の結果,Cd,Pbは飛灰自身による結果または飛灰のセメント固化物,あるいは飛灰のキレート処理物の結果よりも溶出量が2オーダー以上低く,Cuも1オーダー程度低かった.全Crの溶出量には顕著な差が見られなかった.また,特殊セメント中の含有量とAvailavility試験による溶出量の比較から,全Cr,Cuは含有量の数%〜10%程度が溶出する可能性があることがわかった.
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