大規模空間を対象とした音場解析における座席面の境界条件に関する研究
Project/Area Number |
09750677
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀之内 吉成 京都大学, 工学研究科, 助手 (20199558)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 積分方程式 / 座席 / インピーダンス / 境界条件 / 局所作用 / 定常音場 / 境界要素法 / 低音域 / 座席面 |
Research Abstract |
コンサートホール等の大規模空間では、建物完成後に低音域での音響特性の改善を行おうとすると室形状の大きな変更を要する。よって、基本設計時に予測計算を行い様々な音響障害に対するチェックをしておくことが不可欠である。低音域での解析には、例えば積分方程式法のような波動音響的な解析法を用いる必要があるが、その際に均一の材料で構成された壁面などでは、その面上に境界面をとることが出来る。しかし、座席面は形状が複雑で、且つ各種の音響特性を持つ面により構成されており、これを細かく分割し境界条件を個別に与えることは事実上不可能である。そこで、本研究では、座席面を一様なインピーダンスを持つ仮想的な吸音面(仮想吸音面)として扱う方法を提案しその妥当性を検証する事を目的とした。 はじめに、座席面を剛な床面上に吸音体が周期的に置かれた状況に置き換えて考え、その2次元定常音場を積分方程式法を用いて計算した。さらに、吸音体列の上部近傍の音圧、粒子速度からインピーダンスを計算し、その分布を詳細にみることにより、「仮想吸音面」を導入した近似の妥当性、適用可能な周波数域の検討を行った。その結果、低音域においては、吸音体列を座席と見なした面を「仮想吸音面」として取り扱える可能性を示すとともに、限定された条件下ではあるが、吸音体そのものの音響特性と剛床面との幾何的関係から「仮想吸音面」の境界条件を決定する方法についても明らかにした。 次に、座席面を吸音体列と見なして計算した音場と、「仮想吸音面」で近似して計算した音場を比較検討し、音源が平面波の場合、垂直入射に関しては良好な一致が得られた。斜め入射に関しては面から離れた領域では両計算値の差は大きくなるが、面に近い領域では十分に一致した。また、「仮想吸音面」の導入によって、必要とされる計算機容量、計算時間も大幅に削減されることが明らかになった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)