Project/Area Number |
09750679
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷本 潤 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (60227238)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | バッシブクーニング / 都市キャノピー内放射環境 / 都市高温化 / 保水性レンガ / 含浸 / 塩化物 / 蒸発冷却効果 / レンガ / 保水性 / パッシブクーリング |
Research Abstract |
本研究は塩化物の含浸により高性能の吸放湿性を有する室内調湿建材を製作する手法を街路舗装材料としてのレンガに適用することで、放射環境を含めて高温化しつつある都市内街路空間のパッシブ的な熱環境制御手法を提案することを目的としている。昨年度は、試験体を屋外気象条件下に暴露して経日的重量測定を行ったが、顕著な含浸の有効性を確認出来なかったので、本年度は実験手順を再考して新たに実験を行い、有意な結果を得た。 基盤材料として用いたレンガは既製品の赤レンガと保水性レンガとして紹介されているセラミックレンガの2種、含浸薬剤としては塩化マグネシウム(MgCl_2・6H_2O),塩化カルシウム(CaCl_2・2H_2O),塩化ナトリウム(NaCl)を用いた。基本的には、含浸後、恒温恒湿槽内で温度,湿度ステップ変位に対する重量変化単位応答を測定する吸放湿実験を試験体の屋外暴露を挟んで前後2度行い、レンガへの塩化物含浸の耐候性を観ようと云う意図である。 実験の結果、無含浸に比較して塩化物を含浸させた試験体は吸放湿水分量が格段に多くなっているのが確認された。含浸薬剤についてみると、塩化ナトリウムを含浸させた場合は、何れの実験条件においても、著しく大きな時間遅れが観察された。保水性レンガの性能指標として、単位体積当たりの単位絶対湿度変化に対する吸放湿量κ^1[kg/m^3(g/kg)]及び単位体積当たりの単位温度変化に対する吸放湿量ν^1[kg/m^3℃]による評価を試みたところ、プロットのばらつきは大きいが概ね含浸量とκ^1,ν^1は正の相関を示した。ただし、以前行った基盤材料がケイ酸カルシウム板である室内収蔵空間への適用を前提とした高性能調湿建材の場合に比較すると、その性能向上の程度は劣る傾向にあった。これは基盤材料であるレンガの空隙率がケイ酸カルシウム板に比較して小さいことに起因するものである。
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