Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
特別養護老人ホームにおけるグループケアの実態を捉えるため,昨年度より実施してきた施設への調査を,本年度も継続しておこなった。調査内容は,平成7年度以降に設立された全国の特養を対象として,建築図面の送付を依頼した。昨年の郵送調査時に記入してもらった設計事務所に対しては,建築図面の追加郵送を依頼するとともに,電話によるヒアリングもおこなった。最終的に収集できた建築図面は134施設であった。 収集した建築図面より,生活単位(居室,日中生活空間,寮母室などで構成された空間のまとまり)が施設内でどのように計画されているかを整理して,その複合形態別に6タイプに分類した。 その結果,50名未満という比較的,小・中規模の生活単位で構成されるハード環境を備えた施設が7割以上を占めており,多くの施設で定員を複数のグループに分けてのケアが可能であることが捉えられた。ただし,典型的なグループケア環境条件を持つと判断した施設に対する空間利用状況のヒアリングでは,実際にグループケアを実施している施設はほとんど見られなかった。職員不足という人的要因をあげる施設が多かったが,グループケア自体を認識していない施設もあり,ハード面の整備だけではなくケアシステムも含めた施設計画が今後の課題といえる。また,建築図面で食堂と談話空間の設置数を整理した結果,設計者側が利用を見込んで設置した空間であっても,利用者側は必ずしもその意図通りに使用していないことが捉えられ,こうした認識の違いをなくすことも計画上の重要なポイントである。
|