電場を考慮した分子動力学法による原子拡散シミュレーション
Project/Area Number |
09750734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大久保 忠勝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00242462)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | エレクトロマイグレーション / 配線 / 原子拡散 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
LSI配線のスケールはサブミクロンからナノオーダーになろうとしており、エレクトロマイグレーション現象は信頼性上重要な問題となっている。このようなサイズになると、従来のように配線をバルクとして取り扱うだけでは、その断線、短絡の過程を理解することは不十分で、粒界構造、結晶方位、粒径等、原子レベルでの構造変化が重大になってくる。 本研究では、電流による原子の拡散、構造変化について調べるため、電場中での原子拡散を取り扱う分子動力学シミュレーション手法の開発を行ってきており、今年度は、以下のことを行った。 (1) 昨年度に開発した局所的な電場を考慮した三次元分子動力学計算プログラムについて以下の点を修正した。 ・ 導電率を求める場合に設定する格子点の間隔を最適化し、計算の安定性を向上させた。 ・ 大規模モデルで計算を行う場合に問題となる記憶容量を低減するための修正を行った。 ・ 粒子登録法を導入することにより、計算の高速化を行った。 (2) シミュレーションの実施 7000から14000原子で構成される三次元配線構造モデルを作成し、修正されたプログラムにより温度、電圧等の試験条件を変えた計算をスーパーコンピュータにより実施した。 (3) 結果 ・ シミュレーションの結果、原子数の少ないモデルと同様に電流密度が10^<10>A/cm^2のオーダーになると、陰極側でボイドが生成し、最密充填面上で積層欠陥を伴いながら原子が移動した。陰極側からの原子移動により、陽極側で応力が集中し、原子の隆起が観察された。 ・ 隆起した原子の配列は、低電圧、低温では配線の結晶方位と同じ方位で結晶成長するのに対して、高電圧、高温ではランダムな原子配置になることが確認された。 ・ 活性化エネルギーを求めた結果、実験値よりもかなり小さい値が得られた。本研究のモデルでは考慮しなかった空孔を介した拡散が影響している可能性が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)