Project/Area Number |
09750743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神谷 利夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (80233956)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 多結晶シリコン薄膜 / VHFプラズマ / プラズマ化学堆積(CVD)法 / 配向性制御 / SiF_4 / 高Hall移動度 / マイクロ波プラズマ / 二段階成長法 / Layer-By-Layer法 |
Research Abstract |
高性能大面積シリコンデバイスの実現を目指して、大面積化の容易なガラス基板上へ高移動度多結晶シリコンを作製する方法および、その結晶性・移動度の改善法について検討した。 初年度はSiF_4を原料ガスとしてマイクロ波プラズマエンハンストCVD法を用いて、250〜360℃という低温で(220)、(400)配向性を制御してガラス基板上に多結晶シリコン薄膜を作製できること、特に(400)配向膜の構造が単結晶ライクで優れていることを見出した。しかし、移動度に関しては約4μmの膜厚の(220)配向膜で13cm^2/Vsの比較的高い移動度を達成したが、(400)配向膜では7cm2NSに過ぎなかった。これは(400)配向膜では粒界のダングリングボンドを終端して不活性化させるのに十分な原子状水素が存在しないためと考えられた。 本年度は、このような作製技術を、アモルファスシリコン薄膜太陽電池の作製プロセスに使われている容量結合型VHFプラズマCVD法に応用し、大面積・大量生産の可能な技術の確立と、さらに高度な構造制御技術の確立を目指した。 その結果、マイクロ波プラズマと同様にSiF_4/H_2混合ガスを原料とすることで(220)、(400)配向構造を制御できることが分かった。さらに、堆積速度を向上させるために少量(SiH_4/SiF_4<<0.1)のSiH_4を混合することが効果的であること、H_2/SiF_4比を高くし、SiH_4流量を極力下げることで150℃でも83%の結晶化率の多結晶シリコンを成長できること、さらに50℃の基板温度においても微結晶化はするが62%の比較的高い微結晶シリコンを成長できることが分かった。 これらの膜について、PH_3ドープを施し、ドーピング濃度を変えてHall効果を測定した結果、(400)配向膜では電子濃度の増加に伴いHall移動度が増大し、10^<20>/cm^3で10cm^2/Vsの移動度が実現できた。これは、粒界のダングリングボンドが形成するミソドギャップ準位がPドーピングによってかくされ、粒界における伝導特性の劣化が押さえられた結果と考えられる。10^<20>/cm^3という高ドープ条件では不純物散乱により移動度が低くなるため、10cm^2/Vsという移動度も、粒界準位を減少させてさらにドーピング濃度も低くすれば、さらに高い移動度が実現できると期待される。この実現を目的として、現在、膜成長過程で10-100nmの膜堆積と水素処理を繰り返す「水素パッシベーション処理」を試みており、これにより暗伝導度の低下と光伝導度の改善が見られることまでは確認できた。
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