Project/Area Number |
09750744
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
関谷 隆夫 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60211322)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 二酸化チタン / アナターゼ / 単結晶 / 拡散反射スペクトル / 吸収スペクトル / 酸素欠陥 |
Research Abstract |
作製した水素/窒素気流中での熱処理装置を用い、水素濃度および熱処理温度、熱処理時間を変えて、アナターゼ型二酸化チタン粉末に酸素欠陥の導入を試みた。熱処理温度が400℃以上のときは500nmより長波長側の拡散反射率の減少がみられた。この波長域の吸収増加は、自由キャリアによるものと推測される。また、700℃以上の熱処理で吸収端の長波長シフトが観測された。X線回折の結果からこの温度領域でルチル相への転移が急激に進行することが明らかとなった。吸収端のシフトはルチル相への転移によるものである。アナターゼ相のルチル相への転移温度は大気雰囲気で915℃とされているが、水素が転移促進剤として機能することが明らかとなった。さらに、水素濃度を1〜100℃の範囲で変化させたが、拡散反射スペクトル形状が水素濃度に依存しないことがわかった。熱処理時間依存性からは、ルチル相への転移は600℃ではほとんど起こらないが、700℃でも徐々に進行し、96時間後には80%以上に達することがわかった。これらのことから、水素雰囲気下での熱処理により欠陥が生じること、温度と時間を変化させることで欠陥の導入を制御できることがわかった。さらに、700℃での熱処理の結果、a、c軸の格子定数が減少していた。以上の結果から、この一連の処理によって酸素欠陥が生じているものと判断した。粉末で求めた条件に基づき、単結晶に同様の熱処理を施し、その吸収スペクトルの変化を調べた。その結果、熱処理温度の上昇に伴う長波長領域の吸収の増加や、800℃以上の熱処理による吸収端の長波長側へのシフトなどが認められ、ほぼ粉末と同様の結果を示した。熱処理時間が長くなるにつれ、偏光依存性のある400nm付近の吸収帯の生成、強度増加も観測された。この吸収帯は、as-grown単結晶を酸素雰囲気下で熱処理した際に見られるものに対応したものである可能性が示唆された。 ルチル型二酸化チタン粉末を原料として、化学輸送法でアナターゼ型二酸化チタン単結晶を育成した。一方、アルミニウム、バナジウムをドープしたアナターゼ単結晶育成について、pureな単結晶育成時と同様の方法で行ったところ、前者は小さいながらも単結晶の育成に成功したが、後者は塊状の多結晶体となった。いずれも光学測定に耐え得る試料は得られなかった。
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