Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
クロム合金は耐熱性・耐食性材料にすぐれていたため,たとえば,クロム-ニッケル溶製合金の力学的性質についての研究が約20年前まで精力的に行われてきた.しかしながら,クロムの含有量が60mass%以上になると,クロム合金を溶製することは,クロムの高融点による坩堝からの不純物混入が問題となって非常に困難であった.ボタン溶解などの方法では小片しか得ることができず,また鋳造材は加工性が悪いために辛うじて加工した合金から採取した試料も量的に少なかったために,力学的性質の系統的な研究はきわめて制約されていた.ところが,十数年前からアーク溶解法やゾーンメルト法などの溶解技術の進歩や熱間等方加圧技術などの周辺技術の開発が見られ,高クロム-ニッケル合金の溶製品やほぼ真密度のクロム粉-ニッケル粉焼結材の作製が可能になった.これにより,均質で多くの実験試料を用意できるようになった.このような環境のもとで,本研究ではクロムを多く含むクロム粉-ニッケル粉焼結材およびクロム粉-モリブデン粉-鉄粉焼結材をそれぞれ作製し,それに圧延と焼鈍を繰返し施す一種の加工熱処理によって各焼結材の合金化を試みることにした.これまでに得られたおもな結果をまとめると以下のようになる. (1) クロム粉ーニッケル粉焼結材について,加工熱処理した材料の強度と延性を広い温度域にわたって引張り試験によって調べた.本研究の結果によれば,高クロム-ニッケル合金は室温以下においても十分な延性をもっており,構造用部材として実用しうる可能性をもっていることが明らかとなった. (2) クロム粉ーモリブデン粉-鉄粉焼結材について,良好な焼結条件を明らかにした.また,焼結材の組織観察を行った結果,クロム粉-ニッケル粉焼結材と同様に各金属粉が混在していることがわかった.
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