Project/Area Number |
09750836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 猛央 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30272363)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | プラズマグラフト重合 / 分離膜 / 溶媒分離 / 有機・無機複合膜 |
Research Abstract |
本研究において、溶媒分離用フィリング重合膜のコンセプトを無機基材に応用し、有機-無機複合膜の開発を試みた。この膜は溶媒分離において、溶解選択性を有機充填ポリマーにより発現し、膜の膨潤を無機基材骨格により抑制することができる。無機基材を使用するため、高温での使用にも耐える分離膜となるはずである。 昨年度はプラズマグラフト重合法により多孔性ガラス基材中の細孔をポリメチルアクリレートグラフト鎖で充填した膜の作製に成功した。本年度はこの重合法を多孔性セラミック基材に応用し、耐熱性および耐圧性に優れた複合膜の開発を目標とした。具体的にはセラミックにプラズマを照射した表面のグラフト重合反応性を確認し、多孔性セラミック細孔中に有機グラフト重合相を充填した膜の開発を行った。 無機基材に対する低温プラズマを用いたグラフト重合反応では、基材表面の-OH基部分から重合反応が進むと考えられている。TG法により、セラミック基材表面の-OH基密度を測定した結果、シリカを含有するαアルミナ基材では酸処理により表面の-OH基密度は増加するが、純粋なアルミナ基材では増加しなかった。,Si-0-Si結合が酸によりシラノール基に変換されたと考えられる。また、グラフト重合反応においても酸処理をしたシリカ含有アルミナ基材では重合速度が向上した。純粋なアルミナ基材でも重合量を確認できた。また、重合相は化学的に安定であり、クロロホルム中での超音波洗浄においても剥がれることはなかった。グラフト重合相は多孔性基材内部の細孔中にも形成することが確認でき、指針にしたがったフィリング重合膜がアルミナ基材を用いても作製可能であることを明らかにした。最後に、作成した膜を用いてクロロホルム-ヘキサン系のPV分離実験を行ったが、安定な分離性能を示した。今後、構造を最適化することにより、高い分離性能および耐圧性が期待される。
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