部位特異的遺伝子導入法による生理活性物質生産動物細胞株の樹立
Project/Area Number |
09750873
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西島 謙一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10262891)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | テロメア / 染色体 / 遺伝子発現 / β-ガラクトシターゼ / cdkインヒビター / CHO / 物質生産 / トポイソメラーゼ阻害剤 / 浮遊培養 / エトポシド |
Research Abstract |
実際の生産プロセスにおいては樹立した細胞株の性質が安定であることが重要である。そこで本年度は細胞株の性質に大きな影響を与える染色体の安定性に着目して研究を行った。染色体の末端に存在し、染色体の安定化に大きな役割を果たすといわれるテロメア領域に着目した。約0.5kbのテロメア繰り返し配列を持つコピー数可変型ベクターを作製した。このベクターはSV40ウイルスの温度感受性ラージTタンパク遺伝子を持つので、33℃においてはプラスミド状に一万コピー近く増幅されるのに対し、39℃においては数十コピーにまでそのコピー数が抑えられる。このベクターをサルCV-1細胞に遺伝子導入し多数のクローンを樹立した。期待通り、39℃では細胞あたり約50コピーであったベクターが33℃では数千コピーにまで増幅されることが確認された。数千コピーのべクターが含むテロメア配列の総量は染色体末端のテロメア配列の約10倍量となるため、テロメアに本来結合するタンパク質を競合的に奪い、染色体が不安定になることを期待した。33℃において培養した細胞株の染色体を解析したところ染色体の末端が融合した異常な染色体が多数認められ、染色体が末端でお互いに融合することをテロメアが防いでいることが示された。この時細胞は偏平状で大きな形態を示し、微小核様の構造が観察され、これに伴い細胞増殖がM期で停止していた。また通常は発現していないβ-ガラクトシダーゼ遺伝子、cdkインヒビターp21が発現していた。これらのことから染色体の不安定さが遺伝子の発現を含む細胞の諸性質に大きな影響を与えることが確認された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)