光学活性なアニオンを用いたオレフィンラジカルカチオンの立体区別二量化反応
Project/Area Number |
09750914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 守文 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00275314)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ラジカルカチオン / 立体区別反応 / 反応機構 / 求電子付加 / アノード酸化 / 一重項酸素 / ナフタレン化合物 / 分子内アルコール / 電極酸化 / 求核付加 |
Research Abstract |
昨年度は、アルコールを有するキラルな側鎖をナフタレンに組み込むことで、アノード酸化によって発生するラジカルカチオンへの求核付加がナフタレンの面を区別して進行することを見いだした。本年度は分子内アルコールによる付加の立体制御が、他の反応にも適応でき、一般的であることを見いだした。 電極反応の代わりに、化学酸化剤としてPhI(OCOCH_3)_2+I_2を用いても、同様のアルコール付加体が得られた。そのときの面区別性は6:4程度となり、アノード酸化の場合とほぼ同じであった。従って、面区別性に対して電極表面は関与しないことがわかった。さらに、電極反応に比べて、簡便な反応操作ですむため、反応溶媒、反応基質などの様々な反応条件を検討できた。その結果、分子内のアルコール付加が優先して進行する条件では、面区別性が低下する結果を得た。これは反応中間体がメソ形になり、キラリティーが消失するためである。 それ以外に、一重項酸素による酸素付加や、求電子剤の付加などにおいても、分子内アルコールによる付加面の制御が可能であることを見いだした。特に、一重項酸素よりもかさ高い求電子剤を用いた場合に、ほぼ完全に面を区別して付加する。これらの立体区別付加反応は、遠隔位置の面を区別している点、比較的反応性の低いアレーンへの付加を加速している点から、これまでにない新規な立体区別反応といえる。さらに、反応機構の解明のためのプローブとして有用であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)