Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度はチオカリックス[4]アレーン(1)を修飾して次の3項目の機能開発を行い,当研究課題の目標を達成した. 1. 金属イオンの高性能認識機能:1の架橋硫黄をSO及びSO_2に選択的に酸化し,それぞれスルフィニルカリックス[4]アレーン(2)及びスルホニルカリックス[4]アレーン(3)を合成した.1〜3の金属イオンの認識機能を溶媒抽出法で比較検討した.40種類もの広範な金属イオンの中から3はハードな金属イオンを,1はソフトな金属イオンを,2は両方を認識した.この様に架橋Sの酸化状態により金属イオンの認識選択性を制御できた.また架橋部位に配位原子を持たない通常のカリックス[4]アレーン(4)は同条件下で錯形成しないことを確認した.一方1のフェノール性水酸基をアルキル化し,テトラキス((エトキシカルボニル)メトキシ)チオカリックス[4]アレーン(5)を合成した.5のcone,partial cone,及びl,3-alternateの立体配座は塩基触媒によって制御できた.また5の立体配座によりアルカリ金属イオンの認識選択性が制御できた.以上は合成化学や錯体化学的に興味深いだけでなく,将来,金属錯体触媒や,金属イオンのセンシング法,高効率的分離回収法に応用を拓く,重要な発見である. 2. 新規不斉識別機能素子:5に不斉アミンを導入した誘導体6を合成し,ガスクロマトグラフィー用の不斉固定相として用い光学異性体の分離に成功した.4から同様に得られた不斉固定相は不斉識別せず,本系でも架橋基の重要性が示された. 3. 環境浄化機能材料:1を直接スルホン化し,水溶性ホスト化合物チオカリックス[4]アレーンテトラスルホン酸(7)を合成した.7は有機ハロゲン化合物等の環境中の有害物質を高効率で捕捉した.7とイオン交換材料を複合化し,水中のppmレベルの有機ハロゲン化合物の除去機能材料を創製した.
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