Project/Area Number |
09750942
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
久保 由治 埼玉大学, 工学部, 助教授 (80186444)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 光学レセプター / 不斉認識 / 比色認識 / 1,1'-ビナフチル基 / カリックス[4]クラウン / X線結晶構造解析 / インドフェニール系色素 / アミノ酸 / HPLC |
Research Abstract |
不斉分子情報に関する知見の集積は医薬品における薬効や毒性を探るうえで重要である。筆者らは色素のもつ光学的性質を活用することによって、その分子情報をカスケード増幅できるシステムの開拓を検討し続けている.その中で光学異性体の比色識別をめざした不斉認識プローブは、その発現のために二重応答概念を提案し、分子システム内にふたつの色素基を機能協調させることによってキラル情報のカスケード増幅に成功した。 その際、高度な機能協調の達成にはレセプタ一部位におけるヘテロ反応場の構築が極めて有効であると考察した。この度、ヘテロ反応場を有する色素前駆体、(S)-2,2'-[(25,27-dihydroxycalix[4]arene-26、28-diyl)bis(oxy)]ethoxy、(2-ethoxy)ethoxy-1,1'-binaphthalene,(1)、のX線結晶構造解析に成功し、その構造化学を明らかにした。 この分子(1)の構造化学的特徴はビナフチル基から伸びるエーテル鎖長をかえたことに基づく。その結果、クラウンエーテル空孔内のいくつかの酸素が擬C_3対称に配置し、ゲストアンモニウムイオンを捕捉するのに都合がよい構造になっていることがわかった。またそのO---O距離は約5Åと解析され、ジベンゾ-18-クラウン-6の対応するエーテル酸素配置とよく一致した。またふたつのナフチル基間の二面角は77.04゚となった。これはクラウン空孔の近傍で分子内へテロ反応場の形成を示すもので、分子(1)のフェノール残基をインドフェノール色素に置換した不斉認識プローブがキラルゲストアミン種に対して異なる応答挙動を発現する(二重応答)メカニズムをよく説明する。このようなゲスト分子捕捉部位における構造特異性が比色不斉認識に必須の寄与を果たしたものと類推された。以上の結果は日本化学会第76春季年会で報告される(太刀川・戸沢・時田・久保、3C639)。また、当該比色不斉認識型人工レセプターを含む関連分野が筆者により概説される(Y.Kubo,SYNLETT.(Account),in press.)。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)