軸性キラリティーを有するビスポルフィリン化合物の合成とその機能
Project/Area Number |
09750949
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 高史 九州大学, 工学部, 助教授 (20222226)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 分子認識 / 不斉認識 / 不斉誘導 / ポルフィリン / 軸性キラリティー / 光学活性アミノ酸 / 円二色性スペクトル / ジアミン / 円ニ色性スペクトル |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に得られた軸性キラリティーを有するポルフィリン二量体の不斉認識能およびアキラルポルフィリン二量体の不斉誘導を中心に研究を行った。まず不斉認識については、ゲストとしてリジンを選び、アミノ酸の認識能を熱力学的考察によって明らかにした。ポルフィリン二量体のリンカー部のビナフチル基がS体のものに対しては、ゲストであるL-リジン誘導体(カルボン酸末端をエステル化した化合物)はビナフチル基がR体のものに比べ、塩化メチレン中で1.3-1.4kcal/mol強く認識することが判明した。これは今まで報告されている、ポルフィリンを用いた不斉認識の系のなかでも、最も優れた値であり、不斉場を2つのポルフィリンで構築することの有用性を示すことができた。 次に、ポルフィリン二量体のリンカー部を軸不斉を有するビナフチルからアキラルなビフェニルに変換した化合物を合成した。このポルフィリン二量体は当然のことながら、ビフェニルの回転速度が速いため、軸不斉は示さず、CDスペクトルはビナフチル基を有するポルフィリン二量体のような特徴的なICDが見られない。しかしながら、このポルフィリン二量体にキラルなリジンあるいはシステインダイマーを加え、CDスペクトルを測定すると顕著なICDが観測され、ゲストの点不斉がポルフィリンヘ軸不斉を誘導したことが明らかとなった。またこのアミノ酸とポルフィリン二量体との相互作用の構造的特徴を2次元NMRの解析によって明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)