ルテニウム触媒を用いるアルキンの二重化ヒドロシリル化の開発
Project/Area Number |
09750960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
川波 由紀夫 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (50289302)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ヒドロシリル化 / アルキン / 二重化 / ルテニウム / カルベン / 位置選択性 / 均一系錯体触媒 / 二量化 |
Research Abstract |
ヒドロシリル化を基礎として、触媒サイクル中に別の素反応を組み込むことで、ヒドロシリル化に関連した新規な反応を開発すること目的とし、金属カルベンを触媒過程に組み込むことを試みた。近年アルケンおよびアルキンのメタセシスが、重合や環化等の有機合成の強力な手法として示されているが、そこで触媒中間体とされているのが、金属カルベンである。その特徴的な炭素-炭素結合生成能力とヒドロシリル化の組み合わせは、特異な反応性や位置選択性を示すものと期待される。 そのような触媒前駆体として、有機合成への展開もふまえて、基質や溶媒の生成度(脱水、脱酸素度)に反応の進行が影響されにくい、ルテニウム錯体を選び、種々の錯体を検討した。その結果、ペンタメチルシクロペンタジエニル基といったかさ高い配位子を持つルテニウム錯体を触媒前駆体とし、ヒドロシランと1-アルキンとの反応を行った場合、興味深い反応を見いだした。 (1)ヒドロシランとしてクロロシラン類を用いると、通常の1-シリル-1-アルケンでなく、2-シリル-1-アルケンを与える、新規な位置選択性でヒドロシリル化が進行した。 (2)一方、トリアルキルシラン類ではアルキンの単純二量化が併行して起こった. 筆者らは、他のヒドロシリル化関連反応でもヒドロシランの構造が反応の経路に大きく影響することを報告しており、この反応でも、同様の現象を明確に示せた。 本課題での目標である、炭素-炭素結合生成を含むヒドロシリル化反応の開発に至ってはいないものの、2-シリル-1-アルケンを与える新規な位置選択性は、特殊な系での結果も含めて2例程度の報告しかなく、反応機構的に非常に興味深い。生成するアルケニルシランの有機合成的利用の可能性も含めて、展開の余地の充分ある反応を見いだしたといえる。 メタラサイクルおよび金属カルベンの化学を基礎に置いた、触媒系の探索はほぼ完了しており、今後は、錯体化学的なアプローチ、および基質の構造が反応の経路におよぼす影響について調べることが必要となろう。また、上記の新規な位置選択的ヒドロシリル化の有機合成的展開として、炭素-炭素結合生成を触媒過程に組み込む反応系の開発も進行中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)