Project/Area Number |
09750976
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 健彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20220957)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光化学 / 不斉合成 / エナンチオ区別 / 光増感反応 / α-ヘリックス / セリン / キラリティー反転 / キラリティー制御 / α-へリックス |
Research Abstract |
本研究では、キラルな芳香族ポリカルボン酸エステル類を側鎖に有するポリアミノ酸誘導体を合成し、これらを用いた不斉光増感反応を行うことにより「高分子効果」を利用してより有効なエキサイプレックス形成を促進すると共に、α-ヘリックスやβ-シート等の高次構造をキラルな反応場として用い、より高効率な不斉光反応を達成しようとするものである。さらに、これらのポリアミノ酸誘導体をバンドル構造などの組織構造体に発展させることにより、更に高度な不斉反応場を構築し、より高い反応効率・光学収率を達成した。また、側鎖間水素結合などを利用した増感システムを用いることにより、外部因子による不斉光増感反応制御の可能性についても検討した。 本年度は昨年度の結果・知見を踏まえペプチド鎖間の水素結合のコントロールに基づく不斉光増感反応の外部因子制御について検討し、不斉光増感反応のエントロピー制御に対する新たな知見を得た。・ヘリックスバンドル構造を有する光学活性増感システムの合成ならびに構造解析 疎水部に基質を効率よく結合させるとともに、バンドル中のへリックス構造をキラルな反応場として有効に利用するため、水酸基を有するセリンを導入したα-ヘリックスペプチドを設計・合成し、これをフタル酸などの増感剤と2本結合させることによりバンドル構造を構築した。増感システムの構造については、NMR、UV、CDなどの各種スペクトルを用いて検討した結果、α-へリックス構造を有し、さらに溶媒極性に応じてヘリックス含量が変化することも確認した。 ・バンドル構造を有する光学活性増感システムを用いた不斉光増感反応の検討 バンドル構造を有する増感システムを用いて、254nm光照射による(Z)-シクロオクテンのエナンチオ区別異性化反応について検討した結果、良好な収率で異性化反応が進行することが確認できた。また、溶媒極性を外部因子として用いることにより生成物のエナンチオマー過剰率の制御が可能となることを見いだし、これがエントロピー制御に基づくことを明らかとした。さらに、増感システム構造を最適化した系においては、生成物キラリティーさえも外部因子によりコントロール可能であることを見いだした。
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