Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
航空宇宙用先進複合材料であるCFRP積層板に対して,実際の航空宇宙環境を考慮した熱サイクル試験を行い,それにより発生する材料内部の微視的損傷を定量評価し,その発生・進展プロセスをモデル化した.微視的損傷としては,積層板の初期損傷であるトランスバースクラッタとそれにより誘発される層間はく離に着目し,これらの定量評価法を確立した.本研究では,CFRP材料として,T300/3601およびT800H/3631の2種類を採用した.積層構成としては0度層と90度層からなるクロスプライ積層板とし,90度層厚さの影響を検討した.さらに,これらの発生・進展の予測法を構築した.これにより,この材料の損傷許容設計の基礎となり,CFRPの航空宇宙構造への適用の拡大が期待できる. 具体的には,平成9年度には,熱サイクル試験の結果からトランスバースクラックおよび層間はく離についての定量評価を行った.平成10年度は,それらの微視的損傷進展のモデル化を試みた.まず,温度変化を考慮した損傷を有する複合材料積層板の応力解析を行うことにより,熱サイクル環境下および引張荷重と熱サイクル環境の複合環境下におけるトランスバースクラックおよび層間はく離発生のクライテリオンを決定し,進展挙動のモデル化を行った.それをもとに,熱サイクルを受けた積層板の弾性率を予測する理論を構築した.この結果,熱サイクルによる損傷発生・進展プロセスの材料および積層構成の違いによる差異が理論的に説明できるようになった.
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