Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
昨年は水中翼船の姿勢制御装置(RCS)の設計を近年急速に普及したロバスト制御系の1設計手法であるμ設計手法を用いて、翼の没水深度の維持と上下加速度低減を実現した。研究第2年度である本年は、より積極的に艇の姿勢と外乱を未知外乱推定オブザーバによって推定し、波浪強制力を相殺することで荒れた海面での波浪の影響による失速やキャビテーションの発生を極力避け、安定した翼走を維持するための制御系を構成した。船体運動の制御に必要な航走中の艇の状態計測は水面との距離計、上下加速度計、ジャイロによって行うものとして模型実験による流体力の計測値を基に水中翼船の運動モデルを構成し、外乱と状態量の同時推定をする未知外乱推定オブザーバをLuenbergerのオブザーバとして構成した。その際に外乱のダイナミクスを表す数学モデルが必要となるが、外乱である波高とヒーブは出会い周波数0で波面との相対高度と上下方向の加速度データからは分離不能である問題点を克服するため、外乱モデルに周波数0の成分を持たないような周期的モデルを採用して、推定状態量を用いたフィードバック制御系の安定性と外乱抑制を調べた。その結果、低次の外乱モデルで効果的な外乱相殺が行えることを明らかにした。
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