遺伝子操作による病原糸状菌の生成する植物細胞壁分解酵素の制御
Project/Area Number |
09760046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
秋光 和也 香川大学, 農学部, 助教授 (80263888)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カンキツ / brown spot病 / 細胞壁分解酵素 / endoPG / PGIP / 宿主特異的毒素 / アルタナリア / LOX |
Research Abstract |
カンキツbrown spot病は、欧米、中近東、オセアニア諸国を中心に発病し、我が国では現在まで本病の発病は報告されていないが、本病原菌の主要病原性因子である宿主特異的毒素を用いた感受性試験により、国内にも感受性を示す品種(イヨカン、ポンカン等)が多く栽培されていることが明らかとなった。そこで本病が国内で発病した際に迅速に対応し、また早期防除を行うために、本病害の感染機構における病原菌と宿主植物間の相互作用についての基礎研究を進めている。本年度に進展させた研究項目をあげたい。 1) 標的遺伝子破壊法によendoPG欠損株の作製およびその解析 本研究室で単離したendoPG、およびその遺伝子をもとに相同組換えを介した標的遺伝子破壊を行った。破壊株は、標的としたendoPG遺伝子の発現、endoPGの生成ともに欠落していた。この変異株と野生株の病原性には差が見られず、本酵素の単一欠損は病原性に影響を与えないことが明らかとなった。これらの結果は他のいくつかの直接貫入型の病原糸状菌の例と一致した。 2) カンキツポリガラクツロナーゼ阻害蛋白遺伝子(PGIP)のクローニングと全塩基配列の決定、および発現系の構築 PGIP遺伝子は植物の細胞壁構成蛋白であり、endoPGと反応して宿主の抵抗反応を誘導することが知られる。カンキツにおいてbrown spot病菌の生成するendoPGとどのような関係にあるかを知るため、6品種から11のPGIP遺伝子の配列を決定し、DDBJを通じてデータバンクに登録した。また、これらの遺伝子の発現系の構築のためにpET発現ベクターを用い、PGIP活性を保持する発現産物を得た。またこの発現産物を用いた抗体の作製にも成功し、この抗体はカンキツ葉のPGIPを認識した。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)